2022年10月に旧神岡鉄道の運転体験に参加しました。半年以上も前のことで記憶も不確かですが、その際気づいたことをメモしていきます。思い出したら追記するかも。
運転したのはKM-101 1両編成です。変速機はDF115A, ブレーキはDA1Aと、運転する側としては国鉄の標準的なディーゼルカーと同じと考えてよさそうです。(エンジンはDMH17系より近代的な6L13ASなので、加速性能はだいぶ違うはず)
- 運転区間
- 鉱山前駅〜船津トンネル出口の片道約900m
- 駅構内以外は全てトンネルとみてよい
- 区間終端部ではATS確認扱いが必要
- エンド交換も体験
- 運転台に座ってみて
- 膝のすぐ先にマスコン・ブレーキがあるので、足を閉じて座ると窮屈に感じる
- 視線を前に向けるとパネルの計器類は全く視界に入らない
- 計器類を見るには頭ごと視線を下向きに動かす必要がある(やや誇張)
- トンネル内で乗務員室照明が点いていると、反射で前方がほとんど見えない
- ATS確認スイッチが割と押しづらい位置にある
- マスコンの奥なので、手を伸ばすには軽く腰を浮かせる必要がある
- デッドマンペダル(マスコン直下)は床に固定されていない
- 足を広げて座った時に踏みやすいように移動できる
- ハンドル操作
- マスコン、ブレーキ共に、動かすのに力がいる割にノッチの刻みがはっきりしていない
- 狙った位置に素早く動かすのは案外難しい
- ATS確認扱いのためにブレーキ重なり位置に動かす時、ブレーキ階段緩めを行うときに特に問題になる
- 逆転ハンドル、変速ハンドル、運転台切り替えハンドルのノッチ刻みはとても明確
- マスコン、ブレーキ共に、動かすのに力がいる割にノッチの刻みがはっきりしていない
- エンド交換
- 逆転機中立、前照灯切、標識灯入、ATS電源切として、乗り継ぎスイッチを入れてから運転台切り替えハンドル(58番)を扱い、ブレーキハンドルと逆転ハンドルを外す
- 片方の運転台ではATS方向切り替えスイッチの扱いも必要
- 色々やることが多くてどれか忘れそうになる
- 何箇所かに分散して配置されているのも一因だとは思う
- 一度、乗り継ぎスイッチを入れずに運転台切り替えハンドルを扱い、エンジンを止めてしまった
- 逆転機中立、前照灯切、標識灯入、ATS電源切として、乗り継ぎスイッチを入れてから運転台切り替えハンドル(58番)を扱い、ブレーキハンドルと逆転ハンドルを外す
- 力行
- 逆転ハンドルを前にしても、逆転機が動作完了しない(↑表示灯が点灯しない)ことが少なからずあった
- エンド交換3~4回に1回は起きていた印象
- こうなった時は、↑表示灯が点灯するまで逆転ハンドル前⇄後を繰り返す
- ↑表示灯が点灯するまで2〜3往復したこともあった
- 最初は故障したのかと心配になった
- 水平な場所では、1ノッチに入れるとゆっくりと発進する
- 1ノッチ投入でエンジンの唸りがはっきりと変わる
- 音というより振動がすごい
- シミュレーションでも体感できるとよいのだか
- 1ノッチ投入でエンジンの唸りがはっきりと変わる
- 発進したら2ノッチに入れ、20km/hまで加速してノッチオフ
- たかだか20km/hでも走っている感がすごい
- 左右のローリングが大きいのがそう感じる要因かも
- 正直なところ、これ以上の速度だと何かあった時に対応できない気がした(素人の感想)
- トンネルは終点に向かって下り勾配になっている
- 勾配値は聞きそびれた
- 復路での出発時は、ブレーキを緩める前にノッチオンしないと後ろに下がる
- 1ノッチでは発進せず、2ノッチでやっと前に動き出す
- 勾配ではたやすく流転する印象
- 復路では20km/hを維持するために何度か再力行が必要だった
- 逆転ハンドルを前にしても、逆転機が動作完了しない(↑表示灯が点灯しない)ことが少なからずあった
- ブレーキ
- ブレーキ管(BP)を40kPa減圧するとブレーキが効き始める
- 「最小減圧量」を実感させられた
- 1両編成のためか、釣り合い空気ダメとブレーキ管の圧力変化はほぼ同時に見えた
- 初めに40kPa減圧しておいて、必要になったら追加減圧すれば、割とタイムラグなくブレーキ力を制御できる気がした
- ブレーキが効き始めると、ブレーキシューの摩擦音(音というか振動?)と減速Gがはっきり感じられる
- 体感の割には、速度計の減り方はそれほどでもない印象
- 前方風景の流れ方や走行音と列車速度を結び付けられるようになれば、計器類を見なくても十分運転できる気がした
- ブレーキ初速20~15km/hでブレーキシリンダ(BC)200kPaだと、少々強めのブレーキという印象
- BP 100kPa減圧で大体BC=200kPaに込められる
- 停止時にBC=200kPaだとかなりきついカックンが来る
- 素早く減速してソフトに停車するには階段緩めが欠かせないと感じた
- 階段緩めは非常に難しい
- BCが減り始めるまでBPを込めていると完全に緩んでしまう
- 運転位置に置く時間は0.1秒位が適当?
- 指導運転士氏の扱いを見ていると、階段緩めの時はとても機敏に重なり⇄運転位置を往復させていた
- 真似しようとしたがうまくいかず
- どうしても0.5秒程度込めてしまう
- 保ち位置が機能していないような気がした
- 運転→重なり位置としたあともBCが減り続ける
- A制御弁の緩め管がブレーキ弁に接続されていない?
- 現役当時からの仕様なのか、廃線後の整備でこうなったのかは不明
- 単に緩めすぎているだけかもしれない
- ブレーキ管(BP)を40kPa減圧するとブレーキが効き始める
余談
- 神岡には思いのほか観光客がいた
- レールマウンテンバイクは結構お客さんが来ていた
- 運転体験終了後に寄った道の駅併設のカミオカラボ(カミオカンデ資料館的な)は満員で入れず
- 神岡から帰るルート
- 神岡-平湯温泉-松本-長野道-上信越道-関越道-みどりの風吹くまち
- 横川SAでほぼ日が暮れた
- 関東から神岡は少々遠い・・・